当教室では、研修医の皆様の見学を随時受け付けています。
われわれは何よりも、プロフェッショナルな良い麻酔科医を育てることを第一義に、教育、臨床、研究に取り組んでいます。各人が目指す「高み」を達成できるよう、息の長い教育を国内外の施設と協力しながら、当教室が責任をもって行っていきたいと考えています。このため関連病院として長野県内20病院に麻酔科医を派遣し、国立循環器病研究センターや自然科学研究機構(岡崎)などでも、臨床や研究の研修を行っています。
麻酔科学はまだまだ若い学問ですが、循環、呼吸、神経・筋、免疫、内分泌・代謝など、研究すべき対象が広範な領域にまたがり、新たな発見の可能性に満ち溢れています。われわれは信州の豊かな自然環境の中で、じっくりと腰を落ちつけて、教室員が皆仲良く、教育、臨床、研究を行い、「信州から世界へ」を合言葉に、先駆的なメッセージを発信していきたいと考えています。
麻酔科医の任務は、手術によって生体が受ける損傷から臓器を保護し、さまざまなストレスから患者さんを解放することです。麻酔科医は術中・術後を含めた周術期医療全般に精通し、呼吸・循環管理や疼痛管理などの全身管理の専門家として、集中治療、救急医療、ペインクリニック、無痛分娩、緩和医療などの広い分野で活躍しています。
信州大、札幌医科大、弘前大、岩手医科大学、筑波大、獨協医科大、自治医科大、群馬大、昭和大、順天堂大、富山医科薬科大、金沢医科大、浜松医科大、藤田保健衛生大、京都府立医科大、兵庫医科大、島根大、産業医科大、佐賀医科大、大分医科大、宮崎医科大、鹿児島大、など。
信州大学医学部附属病院(手術室12室)では2010年に6,000件の手術が行われ、うち4,500件が麻酔科管理でした。本邦で2番目に肝移植を行った腹部・肝臓・移植外科や、初代教授の「杉田のクリップ」で有名な脳神経外科、若い執刀医が生まれている心血管外科・呼吸器外科・内分泌外科、整形外科、泌尿器科、全国から患者が集まる耳鼻科や形成外科など、外科系各科の手術要請に対応しています。2005年には、東日本の国立大学で初めて救命救急センターが設置され(2007年に高度救命救急センター)、救急患者が増加し全体の15%が緊急手術です。2009年からはヘリポートも完成し、長野県における高次医療/超急性期医療の拠点として機能しています。また、ペインクリニック部門においては、硬膜外ブロック、星状神経節ブロック、透視下神経根ブロック、CTガイド下内臓・腹腔神経叢ブロック、脊髄刺激電極埋め込み術などを行っています。
手術麻酔指導は、麻酔科学会指導医(麻酔勤務10年以上の者)が責任を持って行います。麻酔科専門研修医は1日数症例を受け持ち、全ての手術終了まで、麻酔・全身管理を担うことになります。気管挿管・各種気道管理方法に習熟し、経食道心エコーや、エコーガイド下神経ブロック法、中心静脈穿刺法なども習得可能です。さらに上級医師とともに夜間・休日の当直業務を行い緊急手術に対応した全身管理・麻酔管理を学ぶことが出来ます。
2年間の麻酔科研修を行い、麻酔科標榜医(厚生労働省)と麻酔科認定医(日本麻酔科学会)を取得できます。また、計5年間の麻酔科研修を終えたのちには、麻酔科専門医の受験資格(日本麻酔科学会)も得られます。他に日本ペインクリニック学会専門医、日本集中治療学会専門医、日本周術期経食道心エコー認定医、日本蘇生学会指導医などの資格も取得可能です。
朝7時15分からアメリカ麻酔学会のリフレッシャーコースの輪読や最新論文のレビュー発表を通じて常にup to dateな知識が学べます。毎朝7時30分からの症例カンファランスで麻酔計画を練ります。土曜日に大学院カンファレンスと研究論文の抄読会を行っています。医局員がたくさん参加して皆で互いの研究の検討をし切磋琢磨しています。
当直は必ず上級医と組んで、月数回行います。ペインクリニック外来は月・水・金曜日が診察日で、月、木曜日にインターベンジョンを行っています。
4月:オリエンテーション、5月:新入医局員歓迎会、6月:日本麻酔科学会参加、医局旅行、9月:医局説明会、10月:アメリカ麻酔学会参加、12月:忘年会、3月:医局員送別会 等があります。そのほか国内外の学会、研究会での発表・参加、医局対抗野球や関東地区麻酔科対抗の野球大会参加などがあります。
大学病院での1-2年の研修後、県内外の病院で、より高度な臨床研修を継続します。小児麻酔(長野県立こども病院麻酔集中治療科)、ペインクリニック(NTT東日本病院ほか)、心臓血管麻酔(榊原記念病院麻酔科、国立循環器センターほか)などの研修を行うことができます。希望に応じて救急部や集中治療の研修も行えます。
学内外の講師を招聘して麻酔の基礎から周辺まで幅広い知識を習得できるよう講習会を開催しています。2010年度は「超音波ガイド下神経ブロック」、「人工心肺装置」、「外科的気道確保」などについて講習会を開き大学病院外で働く多くの麻酔科医の先生方も参加しました。
先ず一番に感じたことは手技に関しての内容の濃さです。
麻酔科の研修を考えたときから手技に関しては学ぶことが多いと思っていましたが、とにかく実践させていただきながら教えていただいたことは勉強になりました。
次に学ぶことが出来た点は、全身状態を評価するということです。
毎日症例があたり、その都度患者さんの既往歴や現在の疾患、検査データについて考え、評価するという作業を繰り返すことで、考えながら動くという姿勢を学ぶことが出来ました。
麻酔科ではリアルタイムで全身管理をするので、とても有意義な研修が出来たと思います。
また、勉強会が頻繁に行われており、研修の参考になりました。
きちんとエビデンスに基づいて治療する、臨床に役立てるをこの早い段階で学べたというのは私の財産として、今後もそれを生かしていこうと思います。
3ヶ月という短い間でしたがとても内容の濃い研修をさせていただきました。
川真田教授をはじめ、麻酔科の先生方にはとても感謝しています。ありがとうございました。
当教室では臨床医としてまた研究者としてバランスのとれた麻酔科医を育てるために後期研修医の教育・研究に力を入れています。
勉強会4月には麻酔科医スタートに必要な知識を学ぶために大学スタッフによる勉強会を開催し、全身管理に必要な幅広い知識を学びます。今年からは信州大学麻酔科麻酔手技標準化ビデオを作成し、どこでも手技を勉強できる体制も構築しました。6月からは最新のアメリカ麻酔学会リフレッシャーコースを教材として教室員全員で輪読し、もう一歩進んだ最新の知識を学びます。さらに、7月からは日ごろの臨床に役立てることはもとより日本周術期経食道心エコー認定医(JBPOT)取得を目指して経食道心エコー勉強会を行います。また、エコー下末梢神経ブロック勉強会を10月から行います。また、毎週金曜日には抄読会を行っております。
4月~5月 | 大学スタッフによる後期研修医向け勉強会(毎週火~金) |
6月~10月 | ASAリフレッシャーコース輪読会(毎週火・金) |
7月~9月 | 経食道心エコー勉強会(毎週水・木) |
10月~11月 | エコー下神経ブロック勉強会 |
信州大学麻酔科の特色は、後期研修医に最大の麻酔科学会である日本麻酔科学会・アメリカ麻酔科学会に全員参加していただくことです。アメリカ麻酔科学会には、昨年日本国内でもトップクラスの発表実績でした。これからの臨床・研究のモチベーションとなるよう学会の雰囲気とレベルを体験していただきます。その他の学会にも積極的に参加していただきます。
国内留学後期研修中に希望があれば国内留学を行っています。国立循環器病研究センターおよび榊原記念病院での心臓麻酔の研修、 NTT関東病院でペインクリニックの研修、愛知医科大学で神経ブロック研修、名古屋市立大学で集中治療研修を行ってきました。また研究面では岡崎の生理学研究所や国立がんセンター研究所と共同研究を行っております。その他、ご希望があればお気軽にご相談ください。
研究臨床の問題点・疑問点を解決するために臨床と基礎を密着させた研究を行っています。全員がテーマを持って基礎研究・臨床研究に励んでいます。
〒390-8621 長野県松本市旭3-1-1 信州大学医学部附属病院麻酔科蘇生科
TEL : 0263-37-2795(麻酔科蘇生科外来)/ 0263-37-2670(麻酔科医局)
FAX : 0263-35-2734 (麻酔科医局)
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