信州大学医学部麻酔蘇生学教室のホームページをご覧いただき感謝申し上げます。2025年1月18日付で信州大学医学部麻酔蘇生学教室の教授を拝命いたしました田中聡と申します。教室を代表してご挨拶と教室の紹介をさせていただきます。
信州大学医学部麻酔蘇生学教室は清野誠一教授(1967年~)のもとに開講され、小田切徹太郎教授(1992年~)、そして川真田樹人教授(2007年~)へと引き継がれ発展してきました。
信州大学医学部附属病院では、現在約6,000件の麻酔科管理症例を対応しております。当院は県内唯一の医学部附属病院であり、重症例や新しい術式に対応した周術期の全身管理を行っております。麻酔科専門医試験の受験資格を得るためには、術式毎に一定数の麻酔経験が求められておりますが、当院では帝王切開、6歳未満の小児、人工心肺下での心臓外科手術、呼吸器外科手術、脳神経外科手術はいずれも年間200件を優に超えています。また、麻酔科専門医は20名以上在籍しており、多くの麻酔科専攻医を受け入れることができる施設です。
1)麻酔科専門医(全身管理の専門家)の育成
上述のように当院では、様々な術式の手術に対する麻酔管理を経験することができます。具体的には心臓血管麻酔、神経麻酔、産科麻酔といった専門分化した麻酔管理を学ぶことができます。小児麻酔については、長野県立こども病院麻酔科と強固な連携がとられており、これまで多くの方が研修を受けてきました。集中治療、ペインクリニック、緩和ケアにも麻酔科医が派遣されており、様々な領域の研鑽を積むことができます。希望者には、国内外の専門施設で3カ月から1年間の研修を受けていただく体制をとっております。多様性を重視し、其々の方に応じた教育目標を設定していきたいと思います。
2)課題を見つけ、研究を行い、その成果を発信
麻酔科診療は、手術時の恐怖感や痛みからの解放を目指して外科から派生した診療領域です。周術期の侵襲から生体を護ることを目的に発展しており、意識、痛みのみならず循環、呼吸、代謝といった幅広い領域が診療・研究対象となります。麻酔科領域には未だ解決されていない課題、未開拓の領域が多数あります。日々の臨床の中で重要な課題を見つけ、基礎研究や臨床研究を行い、その知見を発信することを多くの方に学んでいただきます。
3)地域の麻酔科診療への貢献
長野県は広く、各地に急性期病院があります。信州大学麻酔科専門研修プログラムでは県内の約20の施設と連携(合計麻酔科管理症例数は年間約35,000件)をしています。急性期医療を担う麻酔科医は多くの施設で必要とされており、医学部附属病院と連携施設では、人材交流を通じて、地域と個人の麻酔科診療のレベルアップを図っております。
長野県はほぼ日本列島の中央に位置する人口200万人の地域です。自然に囲まれ、そして医師として大きく成長できる環境も整っております。全ての方が安心して働き続け、成長できる環境を作っていくことが、中長期的に重要なことであると考えます。これらの取り組みを通じてこそ地域の信頼を得ることができ、「信州大学麻酔科で学んで良かった」という思いに繋がることを願っております。
新卒、既卒を問わず麻酔科学・麻酔科診療に興味のある方はお気軽にご連絡をいたただければと思います。多くの仲間と協力しながら、高め合いながら未来の麻酔科学・麻酔科診療を拓いていきましょう。
2025年2月
信州大学医学部麻酔蘇生学教室 教授
田中 聡
〒390-8621 長野県松本市旭3-1-1 信州大学医学部附属病院麻酔科蘇生科
TEL : 0263-37-2795(麻酔科蘇生科外来)/ 0263-37-2670(麻酔科医局)
FAX : 0263-35-2734 (麻酔科医局)
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